馬鹿みたいだが美しいパワー

教育も教わっただけの理解度よりも、自分の言葉で同じ事を他の人に教える時に、本当に理解が完結すると言う。

人に会った時に、その人を視覚的に認識するのは30%ぐらいで、他の70%は、脳内の情報が補完すると聞いた。新たに知り合った人に自分の素敵な写真を送ると脳内情報に蓄積される。真っ赤な口紅の写真をいつもみていると実際に次に会った時には、少々口紅が剥がれていても脳内情報が赤い口紅を保管してくれるみたいな・・・

どれ程の科学的な話かは知らないけれど、芸能人がブロマイドをバラまくからには、一定の効果があるものと思える。

男女の恋愛的なエネルギーはパワーがある。筆無精の男の人が頻繁にSNSを使ったり。周りから見れば馬鹿らしい事であっても、当人のエネルギーは美しい。

しかし、年配の人がSNSを使うのは注意が必要だ。私が脳内情報の蓄積を目論んで前に送った写真が、朝起きて見ると私に届いていた。内容からすると私を自慢してくれている様だけど・・・
自分が仲良しを人に自慢する時に愛はさらに深まる!? ふふふ。

折り込み積みの事だが、こうして秘密は本人達が自分でバラして行く。

牧 和美

ハングリー精神って・・・

ハングリー精神とは、お金が無いとか貧乏とは無縁で、「自分の目指す高い到達点と現状との差(ギャップ)を認識している人が懸命に努力している状態の時の精神」であり、その差が大きい程、努力している人を指して「ハングリー精神が旺盛」と敬意をもって発する言葉と言われている。

米国人の友達が、日本旅行をしてから「ハングリー精神が旺盛になった」と言う。サービス業を営む会社の役員だが、目指すところが一気に高くなったと言う。日本のサービスのレベルに追いつくには時間も必要だが接遇マニュアルの改訂だけではコントロール出来ないものがあると感じたらしい。日本では家庭で「自分がして欲しい事を相手にして上げなさい」と両親が教える。また、サービス業界では、お客様を自分の大切な人だと思って接する様に」と教える。

幸いな事に、世界では日本に旅行をしたい人が増えている。前述の友達もスタッフが日本旅行をする際は会社で援助すると言う。自分と同じく日本に行けば価値観が変わると信じている様だ。私からすると会社として費用対効果はどうなのかと思うが、米国のサービス業界には貢献できるプランだと思った。

髪を振り乱して働く彼が眩しく素敵で美しいと思った。(この私の価値観と同じ人が多いから日本の労働環境問題がなかなか解決できないのかも?)

しかし日本は千年ぐらいかけて培ってきた文化に根ざす「おもてなし」であり、一朝一夕に目覚めたら出来ると言うものでは無いと思ったが、彼には言わなかった。

ストレスの無い美しい会議

最近の子はレスポンスが早い。グループチャットで鍛えられて来たからなのか?しかも、感情表現を補う為に絵文字を使い慣れているからか、一世代上よりも会話中の顔の表情が豊かなのに気づいて笑った。絵文字を実際の顔で表現しているみたい。

真夜中にオンライン(ZOOM)でミーティングをした。お風呂に入った後なのに、また化粧をしてオメカシして・・・ 社外秘で時差のある所にいると人知れぬ苦労がある・・・

コロナ禍で、すっかりネット会議が定着した。これは、自由度が格段に上がり、それぞれの個人の事情による不具合が大幅に解消された。身体の不自由な時も平気だし、喫煙者も気兼ねなくモクモクとした部屋から参加している。前後の無駄な気遣いもいらない。文字通り、雨が降っても嵐が来ても大丈夫。経済的だし効率も良い。しかも、テクノロジーのお陰で息遣いまで解る感度の良さ。ニンニクの匂いもしない。

ストレスの無い、実に美しい会議方法だと思う。時差のある所にいると辛いけどね。

牧 和美

平常心を測るお茶

私が仕事で大勢の人前で話す時のビデオは、録画が残っている。内容は自分の頭に入っているので見る必要は無いのだけども所作が気に掛かると言うか初めの頃に所謂「穴があったら入りたい」と何度も自己嫌悪に陥っていたトラウマかも知れないが必ず見る。

物言いや所作は、一朝一夕では身に付かない。食べ方が綺麗だとか言われて、初めて母の有り難さがわかったが、物言いや所作は、周りにいる人達と影響し合って変化して行く。欧米人がクラスと呼び教養があるかどうかよりも物言いや所作で人を判断するのも仕方ない。

お茶の先生をしていた方と、茶室では無くラウンジでお会いした。いやぁー、なんと素晴らしい事か。毎朝、お茶を立てられるそうだが、今日は私との約束があるのでソワソワしてるわと感じたとか。

武士が出陣前にお茶を飲んだのは、自分の平常心を確かめる為だったとか。流石に武家のお嬢様。品の無い褒め方をした私は恐縮した。スタイルが良いとか、声が良いとか、美人だとか、そんな物差で測る様なレベルでもラベルでも無い。物言いや所作は、まさにその人の人生の結晶なのだと私は思った。

 

矍鑠とし貴賓のある年配者

ハンバーガーを食べ終えて帰ろうとした。杖をついて少々ぎこちなく歩かれる年配の男性が通路を塞ぐ形になっていた。後に席を立った3人連れの学生達がその人を気遣ってか距離を置いてゆっくりと進んでいる。
抜かせない通路幅でも無かったのだけど、お行儀が良い。歩くのが難しそうな年配者がレジの前で立ち止まった。綺麗な姿勢で頭を下げて「美味しく頂きました」と店員に挨拶された。店のスタッフも後ろに居た学生達も、そして私も姿勢がシャッキとした。学生達もレジ前を通過する際に「ありがとうございました」と明瞭な声で挨拶した。私もいつもはアイコンタクトもせずに言う「ご馳走様でした」の挨拶をスタッフを見て言った。スッタフも姿勢を正していた。足の悪いお爺さんと云う印象から矍鑠とした年配の方と云うイメージに一変した。美しいなと感じた。

牧 和美

Amazon オーディブル

移動中にオーディブルを聴いている。Kindle で本を読めない時は殆どと言っていい。Amazonでオーディオブックを聞かせるサービス。サービス開始時から使っている。最初は無料のサービスだった。色々と価格も変わったが、今は月に1500円で使える。聴き放題と云う当初の使い勝手に戻った。本だと手にも取らないしKindolでも探さない様な作品を手軽に聴くことが出来る。とても重宝している。難点は電車の中で突然涙が出て周囲が気になる事ぐらい。

今日も、銀座「四宝堂」文房具店を聴きながら涙が溢れて、目の合った人が「えっ、どうしたの?」みたいな困った顔をされた。笑顔で軽く会釈したら、良かったみたいな。でも知らない人とのわずかなコミュニケーションなのに、美しいと思った。

牧 和美